新潟県が誇る新しいブランド米「新之助」。その誕生の背景には、コシヒカリ一辺倒だった新潟の米作りに対する危機感がありました。温暖化の影響を受けにくく、コシヒカリとは異なる食味を持つ品種の開発が急務とされたのです。
そこで生まれたのが、大粒でツヤがあり、ほんのりとした甘みとコクを持つ「新之助」でした。この記事では、そんな新之助の魅力を余すことなくお伝えします。誕生に至るストーリーや特徴、そしておいしく食べるためのコツなど、新之助の全てに迫ります。
日本一のコメどころ、新潟が生んだ新たな逸品を、ぜひご堪能ください。
新之助の基本情報
新之助とは?その歴史と特徴
新之助は、2017年(平成29年)に一般発売が開始されたイネ(稲)の新品種です。「北陸190号」と「新潟75号」の交配によって育成されました。新潟県が平成20年(2008年)から開発を進めた新品種で、コシヒカリとは異なるおいしさを持つ米を提供したいという思いから生まれました。
約20万株もの品種候補の中から、食味の特に優れた株を探し出し、その後も厳しい食味検査や性質安定のための育成を進めた結果、選ばれたのが「新之助」だったのです。晩生品種として収穫時期がコシヒカリより1週間程度遅く、高温に強い性質を持っています。
新潟米の中でも際立つ、新之助の品質
新之助は、食味官能試験の結果、外観、香り、味、粘り、硬さ、そして総合評価のいずれにおいても、新潟コシヒカリと同レベルの高い評価が得られています。これは、新潟県が地球温暖化の進行に備え、現在より高温になっても品質が高くおいしいお米の開発を目指した結果と言えるでしょう。
味覚センサーによる分析でも、米のおいしさに関連するコク、味の厚み、濃さ・ボディ感、旨味、甘味すべてにおいて、新之助は平均値よりも高いことがわかっています。特にコクと甘味、味の厚みに特徴があり、その数値は他道府県産の代表的な品種とは大きく異なります。
炊飯米の食感は、比較的硬めでしっかりとした粒感がありつつも粘りも強いのが特徴。コシヒカリとはまた違った魅力的な食味となっています。さらに、貯蔵における米飯物性の劣化が少なく、長期保存した場合でもおいしさを保ちやすいのも新之助の強みと言えるでしょう。
新之助の栽培にかける情熱
新之助の開発は、500種類もの交配によって20万株の品種候補の卵を育成し、その中から食味の特に優れた株を探し出すことからスタートしました。最初の選抜基準は、お米を炊き上げた時の「米の輝き」だったそうです。
その後も食味検査や性質安定のための育成を重ね、ついに「新之助」が誕生。新潟県農業総合研究所が中心となり、満を持して送り出した新品種なのです。現在は、高いレベルで安定した食味・品質を確保するため、「新之助研究会」の生産者により、厳しい基準をクリアしたお米のみが流通しています。
「新之助」という名前には、「新しい」と「新潟」の「新」に加え、誠実で芯が強く、かつスタイリッシュな現代的日本男児をイメージする思いが込められているのだとか。日本一のコメどころ新潟が、その米づくりの集大成として精魂込めて開発した渾身の一品。ぜひ一度はその味わいを確かめてみたいお米です。
新之助の美味しさの秘密
新之助の食感と味わい
新之助は、新潟県が満を持して送り出した新しいプレミアム米です。その最大の特徴は、弾力のある食感と噛めば噛むほど広がる甘みにあります。一粒一粒がしっかりとしていて、ほどよい粒感とほぐれ感を感じられるのも新之助ならではの魅力と言えるでしょう。
さらに、冷めてもおいしさと甘みが持続するのが新之助の強みです。冷めても硬くなりにくいため、白飯としてはもちろんのこと、おにぎりやお弁当にもぴったりなお米なのです。
味覚センサーによる分析でも、米のおいしさに関連するコク、味の厚み、濃さ・ボディ感、旨味、甘味すべてにおいて、新之助は平均値よりも高いことがわかっています。特にコクと甘味、味の厚みに特徴があり、その数値は他道府県産の代表的な品種とは大きく異なります。
新之助を最も美味しく食べる方法
新之助は、まずはシンプルに白米として食べるのがおすすめです。コシヒカリとの味の違いを感じてみるのも面白いでしょう。しかし、新之助の真価は調理した時に発揮されます。
コクや甘みが強く、水分をたっぷりと含んでいるにもかかわらず、新之助は調理しても粒がつぶれたり崩れたりしにくいのが特徴です。そのため、どんな食材とも相性が良く、様々な料理にアレンジしやすいのです。
例えば、出汁いらずで簡単に作れる炊き込みご飯は、新之助の味わいを存分に活かせる料理の一つ。また、肉の旨味、脂の風味と甘さに定評のあるにいがた和牛と組み合わせた弁当も、新之助の魅力を引き出してくれるでしょう。
専門家から見た新之助の評価
米どころ新潟県で有名なコシヒカリに並ぶ存在として、新之助は高く評価されています。新潟米食味評価会からは、「高いレベルで安定した食味・品質の新しいプレミアム米」との評価コメントが寄せられました。
また、米食味分析鑑定コンクール国際大会の審査員を務めるお米の専門家からも注目を集めています。豊かな甘みとコクを持ち、コシヒカリとは異なるおいしさを感じられる点や、大粒で透明感のある美しい見た目など、新之助の特徴が高く評価されているのです。
料理人の間でも、新之助の評価は年々高まっています。どんな食材にも合う万能品種として、その味わいに惹かれる料理人が増えているのだとか。まさに、新潟が生んだ新たな看板品種として、新之助は確かな存在感を放っていると言えるでしょう。
新之助を楽しむレシピ
新之助を使った簡単レシピ
新之助は、シンプルな調理法でもその魅力を存分に味わえるお米です。例えば、牛乳でご飯を煮るだけの簡単レシピ。新之助の持つ甘みとコクが牛乳と見事にマッチし、まるでお米のリゾットのような味わいに仕上がります。
泡立てた生クリームを合わせるのもおすすめ。ふんわりとした食感の生クリームが、ツヤツヤでモチモチとした新之助の食感を引き立てます。まさに新之助ならではの贅沢なひと皿と言えるでしょう。
また、炊き込みご飯や混ぜご飯も新之助との相性抜群。具材の旨味を吸い込んだ新之助は、一層おいしさを増します。冷めてもおいしいので、お弁当のおかずとしてもぴったりです。
新之助で差をつけるおもてなし料理
大切なゲストを招いての食事会や、特別な日のディナーには、ぜひ新之助を使ったおもてなし料理を。その豊かな味わいときらめく見た目は、食卓に華を添えること間違いなしです。
例えば、新之助を使った手まり寿司や手巻き寿司なら、パーティー感たっぷり。ツヤツヤの新之助に、新鮮な魚介やカラフルな具材を合わせれば、見た目にも鮮やかな一品に。
また、リゾットやパエリアなどの洋風料理にも新之助はよく合います。コクと甘みのある新之助が、まろやかな味わいを生み出してくれるのです。フランス料理店「uoni」のオーナーシェフ・西澤敬介さんも、新之助の魅力を最大限に引き出せる食材の一つとしてリゾットを挙げています。
新之助を使ったデザートアイデア
新之助の甘みを活かせば、デザートにもぴったり。お米のプリンやケーキなど、新之助を使えば和洋折衷の新しいスイーツが生まれます。
お米のプリンなら、牛乳と卵、それに新之助を合わせてオーブンで焼くだけ。新之助のモチモチ食感と、なめらかなプリンの食感のハーモニーを楽しめます。黒蜜やきな粉をかければ和風に、カラメルソースを添えればちょっぴり洋風な味わいにも。
米粉を使ったシフォンケーキも、新之助ならではのおいしさが期待できそう。きめ細かい口当たりと上品な甘さが特徴の新之助は、シフォンケーキの生地にもよく合うはず。フワフワの食感に、新之助の風味が加われば、今までにない味わいのケーキが完成します。
和菓子との相性も抜群。求肥や大福の皮に混ぜ込んだり、あんこと合わせてお饅頭にしたり。新之助を使えば、和菓子の可能性もさらに広がるでしょう。
新之助を購入する方法
通販で新之助を手に入れるメリット
新之助は新潟県が開発した注目の新品種ですが、県外に住んでいると入手が難しいと感じる人も多いでしょう。そんな時におすすめなのが通販の利用です。新潟県内の生産者や販売店と直接つながることができ、新鮮で品質の高い新之助を手に入れられます。
通販では、様々なグレードや価格帯の新之助を比較検討できるのも大きな魅力。自分の好みやニーズに合わせて、最適な商品を選ぶことができます。産地直送のため、収穫したての美味しさを味わえるのもポイントです。
さらに、定期購入のサービスを利用すれば、毎月決まった時期に新之助が自宅に届くので、買い忘れの心配もありません。少量パックもあるので、1人暮らしの方にもおすすめです。
おすすめの新之助通販サイト
新之助を通販で探す際は、以下のようなサイトがおすすめです。
- 新潟県の公式サイト「新潟米 新之助」:新之助の特徴や栽培方法、美味しい食べ方など、詳しい情報が掲載されています。
- 新潟米専門店「いなほんぽ」:厳選された新潟米を多数取り扱う専門店です。無洗米タイプの新之助も購入できます。
- 産地直送通販「JAタウン」:JA全農が運営する農産物直売サイト。新潟の生産者が丹精込めて育てた新之助が並びます。
- お米専門の通販サイト「お米.com」:様々な品種のお米を産地直送。食味ランキングや価格比較もできるので、新之助選びに役立ちます。
これらのサイトでは、品質管理に徹底的にこだわった、自信を持っておすすめできる新之助を数多く取り扱っています。ぜひ利用してみてください。
購入時の注意点と保存方法
せっかく新之助を購入するなら、品質の高いものを選びたいですよね。まずは、信頼できる生産者や販売店かどうかをチェックすることが大切です。
また、精米年月日が新しいものを選ぶのもおすすめ。新米の時期は特に美味しいので、9月下旬から11月頃に収穫された新之助を狙ってみてください。
量り売りではなく、きちんと量り込み包装された商品の方が、鮮度や品質が保たれやすいのでお得です。真空パックなら、保存中も美味しさが長持ちします。
購入後の保存方法も重要なポイント。新之助は、高温多湿を避けて風通しの良い冷暗所で保管しましょう。5〜15℃くらいの温度が理想的です。
開封後は、虫やカビの発生を防ぐために、密閉容器に移し替えるのがおすすめ。1ヶ月以内を目安に食べきるのが美味しく食べるコツです。
まとめ
新之助は、コシヒカリに代わる新潟米の新星として、今大きな注目を集めています。気候変動に負けない強さと、これまでにない食味を兼ね備えた新品種の開発は、まさに新潟の米作りの粋を集めたと言えるでしょう。
大粒でつやがあり、ほどよい粘りとしっかりとした粒感。そしてふっくらとした食感と、口の中に広がる上品な甘み。新之助は、そのどれもが魅力的な特徴です。炊き立てはもちろん、冷めても変わらぬおいしさを楽しめるのも嬉しいポイント。
白米としてだけでなく、おにぎりや弁当、リゾットなど、様々な料理に活用できるのも新之助ならではの強みと言えます。ぜひ一度、新之助のおいしさを体験してみてください。日本を代表する米どころ、新潟の新たな挑戦を、あなたも味わってみませんか。